2002.7.27(3人に応えて)3人目 6

6.カワニナを水槽で増やそうと飼っているのですが,なかなか増えません。野菜くずを入れればいいということを聞いたのですが,野菜くずは水中では浮かんでしまいますし,やはりしばらくすると腐ってしまいます。
 上手いカワニナの増やし方を教えていただけないでしょうか。

(お答え) むずかしい問題です。ホタルを研究している人が必ずぶつかり増殖をあきらめてしまうことになります。
 増やして今のホタルの幼虫に食べさせるまで大きくするには,間に合わないと思います。
 でも、ある程度ホタルの幼虫が入っていない箱に飼わないといけないことになります。もうえさをやらないでバケツなどに入れている人もいます。この考えは,えさをやると,カワニナの糞がたまってしまうからです。わたしは、下の写真にあるように,生きたままの草(ウサギが好きなのはカワニナも好きなようです。)を石で浮かないようにして与えたり,じゃがいもを超

水草の藻をたべる
カワニナ
大根葉を食べるカ
ワニナ
うさぎがたべる葉を
食べるカワニナ
大根葉をいれてし
ばらくして。

薄く切って与えたり,煮たじゃがいもを薄く切って与えたり,からいもを薄く切って与えたりといろいろ試みています。じゃがいもなどは腐るのが早いので,夏休みのようにいつも世話できない時は,よくないようです。超薄く切り,食べ尽くせる量をやることで腐るのを防ぐことはできます。キャベツもカワニナは好きなのですが,腐るのがやはり早いようです。静岡県岡崎市の中学校では,みそやでんぷんなど何種類かを混ぜて,固形飼料にして与えた研究結果が出ていますが,バケツなどに入れるには量が少ないので,実用的ではないようです。
 むずかしい問題ですが,えさをやらない限り,幼虫は生きていけないのですから,近くの川に行ってとってきたりしながら,がんばって育ててください。

5.風通しのよい場所で飼育するということだったので(水温25度以下になるところ)、始めは理科室で飼育していました。しかし、25度をこえるため(28度くらい)、今は一番風通しのよい職員室で育てています。しかし、職員室でも25度を越えてしまう現状です。これから、まだ、暑くなることも予想されますが、大丈夫でしょうか。

(お答え) 2箱のを4箱とかにして,理科室,職員室において,子供らに比較させられるのもおもしろいのじゃないですか。北側は日が当たらないので,風通しがよければいいようです。2階の時は、窓を開けて帰っていました。ぶっそうな世の中ですが、窓を開けて,帰れる世の中になればいいですね。
 あまり、結論から言うのも何ですが、鹿児島のは30度は大丈夫なようです。でも、夏休みの暑い日は時には氷をいれてやるものです。たいして温度は下がりませんが、生育率はよかったようです。
 人間は42度以上になれば、タンパク質が固まって死ぬのだそうです。だから、体温計には42度までしかないと近頃聞いて,人間のような定温動物ではない、ホタルはまだ適応力はあるのかもしれません。
 一応30度以上になると危ないというのが定説になっていますが、何度まで大丈夫なのかは,これから研究の余地があります。

4.まだ幼虫が2ミリほどしかないので、大きなカワニナを割って、中に入っている小さなカワニナをエサとして与えるということでした。これから夏休みに入り、学校に来られない日も出てきます。このエサの与え方はむずかしいし、手間もかかると思うのですが、他のエサの与え方はないのでしょうか。

(お答え)小さなものを取り出すのは夏休み中に3令、4令となりますから、意味がなくなります。わたしは三つの方法で小さいものをやっています。
 
1.別の入れ物に少し深いものに白っぽい石を入れてカワニナをいれておきます。小さいのは水圧の関係か、上に上にと上がってきます。それをつかんでホタルのいる容器にいれてやります。
 
2.水の上に浮かんでいるのは、ホタルの幼虫から攻撃されたものと思われます。それは、ラジオペンチでしっぽのところを切って,再び、水の中に戻します。小さな幼虫でもこうげきしていき、食べてくれるようです。
 
3.もうすこし大きいのは、からの口の所を少し肉が見えるように切るか,ペンチで少し力を入れてわります。これは生きていますから、すぐくされることはありません。でも、死ぬのが多いので,白いまくをはって死に,水をくさらしてしまいます。ちょっとひびがはいり,幼虫が顔をつっこむことができるようにうまくやると,生きたまま歩き回っているようです。
ほかに、カワニナの肉をスライスしてあたえる方法もありますが、暑くなると、1日でどろりとなるようです。
 いいのは、やはり生かしてやる 1と2がいいと思いますが、どうでしょうか。

 石灰石を持ち上げると,下の写真のように,幼虫がたくさん逆さまになって,やすんでいるのが見えます。昼間はこのようにして,固まっているものもいるし,べつべつのもいます。
 このまま石を底に置くと,つぶしてしまいますから、水でさっと落として,また底に置いてやると,石の下に入ります。

    

3.テレビ会議には、専用のハードウェアが必要ですか。それとも、パソコンとデジカメとソフトと回線があればいけますか?

(お答え)なんでもかんでもデジカメというようなのでどちらをさしているおかわかりませんが,いわゆるデジタルカメラではなくて,デジタルビデオカメラのほうです。専用マイクも必要になります。

2.水換えとえさやりをどのくらいのペースでやるか。

(お答え) 雨の続いている今は,水温は上がっても25度くらいでしょうし,入れているカワニナも小さいので,そんなには汚れません。でも、毎日体に見合ったカワニナを入れてやることはできませんから,2〜5ミリぐらいなのを入れることになります。そうするとカワニナの大半が水の上にプカプカ浮いてきます。これはゲンジボタルの幼虫にこうげきされて,こわくなり浮いたものと思われます。こういう一回でもういたものは,ラジオペンチで殻の入り口を切ったり,しっぽを切ったりして,幼虫たちが簡単にせめていき,注射できるように手助けするといいと思います。死んでしまうと2、3日でくさりますから,水の悪化の原因になります。水換えはスポイトでふんを少しでもとりのぞき,半分くらい上の水をすて,また水を入れることを一週間に一回続ければいいでしょう。
 夏の暑いときは,20日に1回ぐらいでいいと思いますが,学校だと廊下側は北になりますから,西日が入らない限り,昼間窓を開けておくといいでしょう。2階以上だとずっとあけておいてもいいのではないでしょうか。
 えさやりですが,100匹いれた幼虫が毎日10のカワニナを食べているのを観察したことがあります。大きくなってからのことですが,ですから,10の幼虫に対して,カワニナが一個いればいいという計算になります。一箱に500匹いるとすると,少なくとも50のカワニナはひつようです。せめられたことのないカワニナを毎日の当番がいるなら10から15はいれるといいと思います。

1.水換えのテクニックについてですが、浮いている幼虫を沈ます→上澄み水を捨てる→サイフォンやスポイトでゴミをとる→貝に食らいついている幼虫を別容器にうつす→残った水を捨てる→汲み置きしといた水を入れる→貝に食らいついていた幼虫が離れたら戻すみたいな要領で良いですか?

(お答え) 幼虫はほとんど浮いてきません。浮くのは生まれたばかりのいい場所をさがして,しずむころあいをさがすときぐらいと思われます。
 夏の暑いときは,20日に1回,登校日にまず,別の容器に水を入れ,石ごとうつしますが,そのままおくと,幼虫がつぶされてしまいます。ですから,石を水であらうようにして,底についている幼虫をおとして,また石もおきます。それでも,昼間でも活発に動く元気な子がいます。いや幼虫です。それは,スポイトですって,うつします。これがけっこう時間のかかる仕事です。死んだカワニナの中にもかくれたり,食事中だったりすることがありますから,一応死んだカワニナはまた水を入れた別な入れ物に入れて入っていないかたしかめるといいと思います。