8月25日大口市に出かける。鳥巣で松元さんがホタルの夕べを公民館に働きかけられて始めて10年になる。その間,この用水路はずっと見続けてきた。しかし,どこから来ているのかは調べたことはなかったので,水路を見ながら,小さい道を進んでいった。この用水路は山の中を通り抜けたというよりは,平地をずっと流れていると言ってよい。羽月川に架かっている淵辺橋の下流に堰があった。左の下の写真が堰である。左の上の写真が「大園堰竣功記念碑」と取り入れ口である。昭和26年に頑丈に作られたのだ。堰の所でカワニナは見つからなかった。 
 どう水路は流れていくのだろうと歩いて行くと,右の写真のように勢いよく流れている。流速250cm/Sですごく速い。カワニナなどとうてい岸に付いていることはできないほど速い。ここからずっと続く田圃を潤しているのだ。ここらがどこになるのかさっぱり分からない。平出水小まで1.5Kmとあるので,羽月小校区からずっと遠くまで来ていることになる。
森の中を走っている所があった。それが右の写真の所だ。流速60cm/Sでゆっくりした流れになっている。左岸にカワニナがいるのが見える。でも,どれくらいの密度でいるかははっきりしなかった。道の下を通って森の中を走っている。小さなこんもりした森でそれほど大きくはない。でも、夏場には水温は下がることだろう。このあたりは一面田圃ばかりである。
 細い道から広い道に出る。西出水の方に行く車と大口市街地に行く車の数が多い。この道路に沿って用水路は続いている。水路幅2メートルで人家のそばではカワニナを数個見ることができた。でも,草に被われ,水路に近づくことができないところが続いている。鉄の丸い蓋に農村の下水道みたいな表現がしてあったので,水路に汚水など排水は流れ込まないのであろう
 ところがぐるりと回って次へと進むと様子が変わってきた。大園堰から2.3Kmの地点だ。
 左の写真のように右に一段高くなり家が続いている。生活排水は流れ込むらしくパイプが何本もある。流速61cm/Sで,水に近付けなかったので上から見ただけであったが,カワニナの姿が見えた。でも,そう多くはない。
 その先では,遠くに大口市街地が見える。道路と水路は田圃より一段上になっていて,水の取り入れは楽であろう。墓があったり,ゴミ収集所があったりして,地区民が集まるところのようだ。カワニナは見えない。ホウセンカがきれいに咲いていた。
大園堰から3Kmの地点は右の写真だ。山からの水がここに流れ込む。そして,道路の下を暗渠になって進んでいく。流速72cm/Sで急な流れではないのにカワニナの姿は確認できなかった。水神様が祭られていて,水を大切にしてきた祖先の姿が形となっている。
 ずっと水路のそばは大きな道路が続いてきていたが,この先は農道である。大園堰から3.3Kmの地点では,車が入っていけるものか,トラクターだけ通れるのか分からないので,歩いて確かめることにした。ついでに歩数を計る。600歩である。400mほどずっと田圃の中を農道は続いていた。なんとか車で行けそうなので行くと、その先に墓があった(左の写真)。大園堰から3.8Kmの地点である。ここのあたりは,ホタルがたくさん飛んでいるところである。カワニナもたくさんいるのだろうと調べる。流速70cm/Sで固まって生息していた。そう多いとは言えなかった。
 この下流に「鳥巣下広報研修館」がある。例年5月第4土曜日に「ホタルを見る夕べが」開かれるところである。大園堰から4.2Kmの地点になり,水路幅130cm,流速70cm/Sであった。近ごろ角に新築された家がある。そのあたりのカワニナはほとんど見つけることはできなかった。
 しかし,びっくりしたことがある。こんなにもカワニナがいないのではホタルは来年は少ないのではと思っていたとき,反対側に小さな水路が見えた。用水路から流れ込んでいる。どこから流れ込むのか見ていくと,板でせき止めてあり,流れも88cm/Sと速かったが,その速いところの壁にカワニナがたくさんついているのだ。2mの範囲に50は数えられた。推測であるが,水が汚れ壁に褐藻がついて食べるものがなくなったカワニナは,流れが速くなり壁に緑藻のあるところで生息できているのではと思った。この用水路は思ったよりカワニナはいなかった。